第1話 最初の違和感(2023年)

その異変は、唐突に始まった。

ある晩、建物全体に響き渡るような大きな音が鳴り響いた。まるで床か壁を強く蹴りつけるような鈍い衝撃音。
一度きりではなかった。何度も繰り返され、そのたびに私の胸はざわついた。

最初は、ただの偶然かと思った。
だが、振動は夜を選んで現れ、静寂を壊し、眠りを妨げる。
それは単なる騒音ではなく、私に向けられた敵意のように感じられた。

私はついに警察署に通報することを決意する。
木曜日の夜、制服姿の警察官2名が到着し、実際に騒音を確認した。
警察官が当該の人物に注意すると、彼は土下座をして謝罪した。

だが、その土下座に誠意はあったのだろうか。
心の奥で、私は嫌な予感を拭いきれなかった。
この出来事は終わりではなく、むしろ始まりにすぎなかったのだ。

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