警察官が去ったあと、しばらくは静けさが戻ったように思えた。
だが、その安堵は長くは続かなかった。
10月30日――夜。
私はトイレのドアを軽くノックした。返ってきたのは言葉ではなく、強烈な「ドン」という音。
まるで挑発するかのように、内側からドアを蹴り返されたのだ。
一瞬、血の気が引き、背筋に冷たいものが走った。
12月4日。
今度は浴室で異様な光景を目にした。ドアにはロックがかけられ、室内の壁はなぜかラップで覆われていた。
「何をしているのか…」理解が追いつかない。
その異質さに、言いようのない不安だけが募っていった。
やがて共用スペースには「いびき禁止」と書かれた張り紙が貼られ、黒板にまで同じ言葉が書きつけられるようになった。
誰に向けたものなのかは明らかだった。
私の日常は、じわじわと侵食されていった。

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