最初は、ただの隣人にすぎなかった。
顔を合わせれば軽く会釈をし、時には世間話を交わす程度の、ごく普通の関係だった。
そこに特別な親しさがあったわけでもないが、取り立てて不安や不満を覚えることもなく、日々は淡々と流れていった。
建物の中に響く音も、玄関の前で交わす言葉も、すべてはありふれた日常の一部。
その頃の私は、「隣人トラブル」という言葉が自分の身に降りかかるとは夢にも思っていなかった。
静寂は当たり前のようにそこにあり、穏やかな暮らしがこの先も続くのだと信じていた。
だが、その静けさは、思いがけない音によって唐突に破られることになる。
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